歌集 幾山河
このささやかな歌集は私の最初のそして恐らくは最後の歌集です。
私の短歌には師匠はいません。ただ、戦前の五年制の中学での中頃のことでした。
亡くなった伯父が残してくれていた書籍のなかに石川啄木の全集があり、
啄木の「一握りの砂」や「悲しき玩具」を讀んで口ずさみ始めたのが、
私の短歌です。
そして程なく、啄木の身近にいた若山牧水の歌も知ることとなりました。
強いて言えば、啄木や牧水が私の短歌の師匠でした。
この歌集の表題に選んだ「幾山河」も牧水から拝借したものです。
私の長いそして起伏の大きかった人生とその心を歌にした私の履歴書でもあります。
(歌集 幾山河 「はじめに」より)
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商品コード
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S-52
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販売価格(税込み)
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2,200円